こんにちは。「私」こと,えがきやLLCのCEOです。
弊社は,サラリーマンの退職後の生き方の一つとして,日本各地の酒肴を訪ねて旅行することを提案しようと考えています。その想いのきっかけとなったのは,今回,ご紹介する福岡市中央区渡辺通(春吉といった方が分かりやすい場所です)にある「和酒処 酒峰」さんへ通うようになったからです。同店での素晴らしい日本酒との出会いが,退職を早めてでも「もっと日本酒を知りたい」と思うきっかけになりました。
福岡市内を旅行した際,天神の雑踏から少しはずれて,一人で美味しい日本酒と肴をゆっくりと味わいたい方,或いはご夫婦でその日の旅の思い出を最高の酒肴と味わいたい方にとって,こちらのお店は最適解となるでしょう。
和酒処 酒峰
福岡県福岡市中央区渡辺通5-1-22 ヤヤマビル 2F
050-5484-3767
以下,私の主観と感想によるご紹介となります。
これらは同店や店主様の考え方を代弁しているものではないことをあらかじめご了承ください。
同店に初めて来店した際は,お店のもてなし方や注意点などが書かれた案内書を読みます。この内容に納得できる方ならば,それからの時間は夢のようなひとときとなるでしょう。もしも内容に納得がいかない場合は,その旨,店主にお伝えして他店に行かれた方が良いと思います。案内書には特別なことが書かれているわけではありませんが,客の望みと店の考え方との相性というものがあります。
だからといって,かしこまって緊張するようなお店ではありません。私のような日本酒をよく知らない者や若い方もたくさん来店されており,店の中も和やかな雰囲気です。カウンターに座った初対面のお客さん同士でも,店主が上手に話を混ぜ合わせてくれるので楽しく会話することができます。何より,店主による各酒蔵の取り組みや各銘柄の分かりやすく楽しい説明を聞いていると,目の前に注がれた透明な液体の複雑な味わいが新しい知識や情報を得ることで更に増してくる気がします。こうした体験を含めて,それがこの店を訪れる価値となります。
また,料理も素晴らしく,ボリュームのある一品から,日本酒のアテとしてのちょっとしたつまみまで,贅沢な旬の材料が丁寧に調理されて供されます。当然,食材や調理方法,添えられた調味料などについても詳しい説明をいただけます。頼んだ料理と合うお酒を店主に選んでもらうことで,自分の知らない新しい酒蔵の味を知ることもできます。店主が以前に東京の名店で働いていたことがあるため,関東圏の料理の味付けも熟知されていて,材料に合わせて使い分けもされているようです。
以前,私は和食店に対してちょっとした違和感を持っていました。それは,割烹,小料理などの店は,「酒が料理に従属している」という感覚です。「銘酒をそろえています」のうたい文句の店は多けれど,あくまで料理が主役で,それに合わせる形で酒を選ぶという感覚でした。酒峰さんは,この主従の関係を対等,ややもすると酒の比重をより多く引き上げているように思います。料理と酒が対等に主役を争うために,酒に負けない食材と料理を用意しているのが同店だと考えます。
また,同店は日本酒のみを味わうバーとしてはどうでしょうか。以前の私は専らウィスキー党でバー呑みが日常でした。そんな私には酒峰さんが,きわめてオーセンティックなバーのスタイルや空気感を持っており,それがバー呑みをする層には魅力なのだと考えています。これは居酒屋や大衆酒場の活気や喧噪を楽しむ感覚とは真逆のものです。(後述する同店と客の「相性」の話は,これらに起因するのではないかと愚考するのです。)
ここからは,取材時に呑んだ酒と料理を紹介してまいります。
さりげなく使われているグラスや食器ですが,どれも逸品ばかりで,これらを眺めるのも一興です。
和洋取り混ぜた料理と最高の日本酒,それらにふさわしい器,店主の語りとで,きわめて濃密な,でも心から楽しい時間を過ごすことができます。
また,他所で食事した後に訪れて,就寝するまでの時間に酔いを加える日本酒バーとしても素晴らしい店です。
店主が一人で切り盛りされている店ですので,料理の進行や酒の進み方など,すべての客へ目が行き届くよう,原則として「予約客のみ」とされています。ただし,当日であっても空席がある場合がありますので,必ず電話で確認することをお薦めします。バーとしての利用の場合も同様に,先に電話されることをお薦めします。
いずれも「超」のつく銘酒ばかりであるためどうしても価格はやや高くなりますが,入手難度の高い銘柄としてはリーズナブルに設定されています。店主のワンオペ,仕入や自家保蔵の努力によりコストを抑えているからでしょう。
酒峰さんは,地酒専門の店としては私が紹介するまでもなく,すでに有名店でありますが,その成功に甘んじることなくこの先の新しい事業展開を考えているとのことです。これらの事業戦略は,経験や勘に頼った合理性のない取り組みなどではなく,ちゃんと練り上げられたビジネスプランを積み上げることで作られています。店に置いてあるおせち料理のチラシの裏には「和酒処 酒峰からのお知らせ」としてすでに書かれているのですが,TwitterやFacebookなどでの正式な発表を待ちたいと思います。
この店を紹介するにあたり,一つ書き足すことがあります。
ネット上の酒峰さんの評価について,不当に低い評価がつけられているものが散見されます。多くが,「自分が期待していた店と違う」という趣旨で店主個人を批評しているもののようです。
この点,「初めて来店した際は,お店のもてなし方や注意点などが書かれた案内書を読みます」が重要なのです。批評的な意見の原因は,この案内に納得しないまま注文し,その結果「想像した店と違う」ことから来るギャップがほとんどはないでしょうか。もし,最初の案内書を読んで,あるいはそういう案内書があることそのものが納得できない場合,素直に「ちょっと考えていた店と違うようで」ということで別の店に行かれる方がよいと思います。つまり相性の問題なのです。
また,店主は相手によって対応を変えるような方ではありません。きわめて普通に接してくれます。むしろ相手次第で妙にへりくだったり,考えを曲げて日頃やらないことをするなどはないでしょう。ここが合わない方も,酒峰さんとは相性が悪いということになります。
初来店の客の場合,お連れ同士,あるいは一人で静かに酒肴を楽しみしたい客なのか,店主と語らいたい客なのかが分からない時点では,店主は酒と食材の説明に終始しているようです。(これは私の感想です。)もし店主の手が空いており,カウンター越しの店主との会話を楽しみたいならば,次の一杯や一皿の相談がてら,いろいろと質問してみると良いと思います。その内,酒肴以外の豊富な話題でもてなしてくれることでしょう。繰り返しとなりますが,料理を含めてワンオペしているため,こうした応対は店主の手が空いているときに限られるのは,初来店の客であっても常連さんであっても共通です。
来店した客がどのような感想や評価を持ち,それを発信するかは自由だと思います。しかし,人の評価をみて尻込みして,最高の日本酒体験の機会を失うのは勿体ないことです。是非,お店に行かれて案内を読み,店主と話をされて,理解ご同意の上で楽しまれることをお薦めいたします。
以上,私の勝手な解釈に基づく説明です。店主のお考えを代弁しているものではありませんのでご注意ください。
同店の食材や抜栓されメニューに掲載される日本酒は時期によって流動的です。写真を掲載した銘柄や料理がいつもあるわけではありません。
最後に酒峰さんには姉妹店というべき店が二店あります。
日本酒の時間制飲み放題ができる,少しカジュアルな「酒虹」さん。
バースタイルの「酒峰」さんに対して,掘りごたつ式の座敷席で,仲間と一緒に卓を囲んで料理と日本酒を楽しめる「酒幸」さん。それぞれ,対象としているお客さんと利用の用途が異なるため,お酒の種類や料理の種類は少しずつ異なり,全くの別の店として楽しむことができます。
これら二店は,いずれご紹介します。
和酒処 博多 酒虹
福岡県福岡市中央区春吉1-5-9 タカラビル 3F
080-9109-7670
和酒処 小料理 酒幸
福岡県福岡市中央区今泉2丁目4-36 TIO今泉5階
092-231-9404
えがきやLLC
CEO
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