マネーフォワードMEを使って資産管理したところ

FIREするまで

こんにちは。「私」ことえがきやLLCの代表です。

早期退職して「人生を楽しむ」ための生き方をするための準備として,自分の資産と負債の状況をしっかり把握するのが大事だと思います。私の場合,退職時点では独立するか,転職するかは決めていませんでしたが、一応,独立を視野に入れて準備を行っていました。

会社員時代の自分は,やたらとたくさん開設した銀行口座にそれぞれいくら残高があるかもわからず,無駄遣いを減らそうと思っても何にいくらを使っているか把握できていませんでした。そこで,何年かかけて自分の資産の状況をモニタして,週単位,月単位,年単位の生活コストや出費の季節性などを観察することにしました。

はじめは,”各銀行の残高をネットから収集し,買い物のたびにレシートや領収書をもらって,それらをExcelに入力して〜”なんていう手間のかかることをやっていました。さすがに何ヶ月かやっていると,続けるのが辛くなってきたため,マネーフォワードME(無料版)を使うことにしました。

マネーフォワードME

マネーフォワードMEは,いわゆる個人用の家計簿アプリです。家計の収支を手で入力したり,銀行や証券会社,クレジットカードなどの残高や入出金を記録して,まとめて見ることができます。マネーフォワードMEに対応する金融機関・カード会社等であれば,ネットを通じて口座残高や入出金情報を自動的に採集する機能があります。
無料のWEB版と有料のプレミアム版とがありますが,まずは無料版で十分使えます。これらの機能の違いについては,株式会社マネーフォワードのプレミアムサービス機能比較表 を参照ください。

本記事は,マネーフォワードMEの詳しい操作方法を説明するものではありません。
これを利用して,日々の口座残高や入出金の様子を観察しながら,どのように資産管理を改良していったかを回想いたします。

マネーフォワードMEを使った結果

マネーフォワードMEを使った結果,次のような問題点が浮かび上がってきました。

  1. 使っていない無駄な銀行口座,証券口座,クレカが多すぎ。
  2. クレカ払いと現金払いの使い分け,および複数のクレカの使い分けのルールがなかった。
  3. 引落口座もバラバラ。出金の規則性(周期性や季節性など),とくに今まで無自覚であった各種引落がどれくらいの頻度でいつごろ行われるかが把握できていなかった。

それぞれ詳しく見て参りましょう。

口座多過ぎ問題

銀行口座や証券口座,保険,複数のクレカ,ガス/電気/水道/通信といった管理対象の口座をマネーフォワードMEに登録すると,早速,問題に当たります。無料版は残高や入出金情報を自動的に連携可能な口座を10口座までしか登録できません

(2022.11.08 追記)
株式会社マネーフォワードは,「マネーフォワードMEの無料会員の金融機関連携の上限を2022年12月7日から4口座とする」ことが発表されました。残念ですが,使い勝手はかなり悪くなるものと思われます。

わずかしか残高がない銀行口座をはじめ,以前,銀行が証券会社への媒介ビジネスを始めた際,いろいろな銀行にお付き合いで証券口座を開いたことがあり,使っていない口座もたくさんありました。そこで,マネーフォワードMEを使い始める前に使っていない銀行・証券口座の解約を行いました。

結果的に管理対象の口座を3メガ銀,地元の地銀1行,証券会社2社,クレカ1社に集約することなりました。保険会社が入っていませんが,契約内容は更新時期を除き年間を通じて変わらないことと,保険料の引き落としは銀行口座の引落の履歴を見れば把握できるため,あえて登録しませんでした。

FIREを目指して蓄財されている方の場合,かなりの額の現金をお持ちだと思います。1000万円を超える現金を銀行の普通預金に預けていると,預金保険の上限額が1000万円とその利息となるため,銀行の破綻時に被害を受ける可能性があります。そのため,利用する銀行の信用度や資本の強度などをちゃんと見極めて,各行の普通預金口座の残高を1000万円以下となるように分散することになります。

しかし,これでは将来にわたり口座の数を減らすことができません。
そこで,三菱UFJ銀行の普通預金[決済専用無利息型]を主に利用することにしました。その名の通り,無利息の口座であり,預金保険によって預入額が全額保護されます。とはいえ,預金利息収入をあきらめることになるため,この口座の現金は機動的に運用することで代わりの収益を得ることになります。

三菱UFJ銀行の普通預金[決済専用無利息型]の詳細については商品説明を参照ください。

このように,マネーフォワードME(無料版)を利用開始するのをきっかけに,多すぎた口座を整理することができました。

クレカの見直し

最近では量販店のメンバーカードを作ると自動的にクレカがついてくるものがあり,不必要なクレカを多く持っていることがあります。私がまさにそうでした。そして,それらを特に使い分けるではなく,それらの店舗でなんとなく使っていました。そして,カードごとにばらばらの銀行口座からそれぞれ別のタイミングで引落されるため,常に十分な残高を維持するように気を遣う必要がありました。そこで,主要なカード会社(VISA,Master,JCB)ごとに一枚ずつを残し,多くのクレカを解約しました。そして,それらのクレカの引落口座を常に資金的に余裕ある銀行口座に集約することにしました。

また,通常利用するクレカは一つだけとし,更に家族カードを作り,家計全体からの出費を一種類のクレカに寄せていくようにしました。これで,家計全体の出費状況がマネーフォワードMEでモニタできるようになった上にポイントの獲得の効率もよくなりました。

さらに電気,ガス,水道,通信費をクレジットカード払いに変更しました。これで,マネーフォワードMEを使って,各料金の支払をクレカの利用履歴から確認することができるようになりました。マネーフォワードMEの無料版は自動で連携できるのは10口座まで(注:2022/12/07以降は4口座まで)ですので,電気/ガス/水道/通信会社をそれぞれマネーフォワードMEへ登録するのに比べて,光熱費を1つのクレカの支払い履歴としてモニタできるため管理口座の数を節約することになりました。加えてクレカのポイント獲得の効率も上がります

以上,よく言われているクレカ利用の最適化を一通り行いました。
ここで,クレカを1種類だけでなくカード会社ごとに1種類ずつ残したのは,事件や事故によって主に利用するクレカが利用できなくなった場合にそなえてのバックアップです。

出金の規則性と必要な生活コスト

銀行口座の整理,利用するクレカの集約を通じて,マネーフォワードMEで口座残高と入出金の履歴を自動的に行うことができるようになりました。あとは,週,月,年などの期間で入出金の状況を観察していくだけです。これを3年ほど続けたところ,各種引落のタイミング,金額の概算額や季節性などが見えてきました。また,平均的な生活コストがいくらぐらいかを見極めることができました。あえて無駄遣いをしないように我慢した生活の統計ではなく,いつも通りに暮らしたときの統計です。早期退職して収入が安定しない期間,どれくらい出費を減らして生活レベルを落とさなければいけないかを見積もるために無駄遣いを含む出費全体のデータが必要でした

見積もられた生活コストから,退職して独立したら,どれくらいの収入が必要か,および収入が安定するまでの間,どれくらいの蓄えが必要となるかが数値として把握できました。具体的に用意すべき資産の目標額がきまることで,独立までの時間を予定することができるようになったのです。

まとめ

マネーフォワードMEを利用したことで,独立するのに必要なビジネスの収益レベルや,収益が安定化するまでに必要な蓄えの概算額が見積もれるようになりました。実際に退職するのは,この見積もりの時期よりも少し遅れましたが,用意すべき資産の最低額をクリアしていた自信から,新規ビジネスのアイデアに没頭することができたのが良かったと思います。

なお有料のマネーフォワードME プレミアム版は月額 約500円で利用可能です。無料版に比べ,自動連携する口座数の制限がなくなり,グラフなどを使った視覚的なレポートやデータのCSVファイルダウンロード機能が使えたりと使い勝手が良くなっています。また過去のデータを1年以上遡って参照することもできるようになります。

FIREを達成した後も投資を続ける場合,投資資産ごとに証券会社を分けたりすることがあるため,自動連携は最大10口座という無料版の制限が煩わしくなってきます。毎月の投資収益が十分得られている方ならば,プレミアム版への乗り換えを検討する価値はあると思います。しかし,いきなりプレミアム版から使い始めるよりも無料版での便利さを体験してから,プレミアム版へ乗り換えるかを判断することをおすすめします

えがきやLLC
代表

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‎【概要】 ◆ 無料で使える家計簿アプリ『マネーフォワード ME』 ・レシート撮影で、簡単に家計簿の入力が完了 ・手間なく簡単に「お金の見える化」ができる自動の家計簿アプリ ・収支の把握がグラフでみれる ・使い初めてから月平均【24,599円】(*1)の収支改善を実感 ・2,531の銀行・クレジットカード・電子マネー・...

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